就任にあたり
北多摩西地区保護司会
会長 粕谷勝榮
4月21日の総会に於いて、北多摩西地区保護司会、第九代会長を仰せ付かり、森久保康男会長の後任として、就任いたしました。
現在の心境を率直に申し上げますと、森久保会長の下、常務理事として勤めさせていただきましたが、如何に頼りない理事であったか、今更ながら痛切に感じているところであります。
既に6月も終盤、各部会では夫々に新たな体制で事業が始動してまいりました。特に保護司会として、また、保護司一人ひとりが加わり、行われる全国運動「社会を明るくする運動」の強調月間を前にして大変忙し時期に入って来ました。この事業、第65回を迎えるに当たり、今年度は内閣総理大臣のメッセージとなりました。政府において「犯罪に戻らない・戻さない」は再犯防止に関する宣言が昨年12月決定され、正面から取り組んでいく決意が述べられています。国民皆様が、より安全安心な国づくりに参加し、協力願えるよう、更生保護に携わる私たち保護司は地域の参加諸団体の皆様と共に一層の広報活動を行わなければならないと思っています。
昨今、携帯・スマホを手にした光景は何処でも見受けられ、それによる事故・事件も増加しつつあります。また、最近では「ドローン」という小型無人航空機(遠隔操作や自動制御で飛行)なる物体による事件も発生し、早期に法の整備が必要ではないでしょうか。
私たち保護司は、法で規制された中だけでなく、いわゆる世間一般の常識の中で対象者を指導していくことが再犯防止に繋がる一つの道でもあると思います。今までの人生経験を生かしつつ、今の世相に合った処遇を勉強していかなければならないと思います。
現在、統計上青少年の犯罪は減少傾向にありますが、高齢者による犯罪(軽微な)や、「振込詐欺」は多発しています。このような状況下で減少傾向にあるのが保護司です。しかし25・26年度に実施されたブロック別保護司組織運営連絡協議会のテーマとして「保護司の安定的確保」が協議され、結果、皆様のご尽力によって下げ止まりとなりましたが、保護司というボランテア活動をご理解いただくにはまだ時間が掛るようです。
さて、今年6月から本格実施された「社会貢献活動」ですが、既に特別研修や配布資料でご承知のとおり、[保護観察対象者が地域社会に役立つ活動を行うことによって、人の役に立てるという感情や社会のルールを守る意識を育み、それを通じて立ち直りを促進するものである]と、新たな処遇方法として平成23年度から先行実施されています。地域活動部が主体となって実施されている「社会参加活動」と違い、社会貢献活動担当保護司を推薦し、指名された方々が保護観察所と協働し行う活動です。
世の中が目まぐるしく変わる中で、観察所から次々と出される施策に、保護司皆様と共に日々研鑚に積み、今日よりも明日へ半歩でも進められるよう努力する所存です。
皆様にはより一層のご指導ご協力を切にお願い申し上げます。
会長退任にあたり、ご指導ご協力に感謝いたします。
北多摩西地区保護司会
顧問 森久保康男
大先輩である、中藤祥瑞先生の後を受けて、北西会長を務めさせていただき、3期6年がアッと言う間に過ぎました。長くもあり短くも感じ、私自身どれだけの実を残すことができたのか反省しきりであります。想い起こすと北多摩西地区保護司会の理事として活動できたのが、平成17年度からであり。この時まさに、「更生保護制度」の、抜本的な改革が必要とされている時期でありました。制度そのものが、機能不全に陥りかけており、目的を十分に果たせていない。との国民の厳しい目が向けられ、制度全般を抜本的に検討・見直すことが急務とされ「更生保護制度のあり方を考える有識者会議」が設置されました。この答申を受け、平成19年6月15日新しい「更生保護法」が公布、翌年6月1日に全面施行。裁判員制度のスタートなど、司法関係・更生保護の改革が勢いよく進行するなか、平成21年4月に新会長としての船出でありました。
また、同時に東京保護観察所八王子支部が立川市に移転され、名称を立川支部と改称された。そして立川支部が北西地区保護司会のおひざもとに存置することの責任の重さを痛感したことでありました。組織である保護司会の充実を願う会長の責務を果たすには、まず何から始めなければならぬか考えたりしましたが、心配するには及ばず、北西保護司の皆さんをはじめ、役員一人ひとりが一丸となって運営に協力をしていただき、このことがどれだけ勇気と活力を得ることができたか計り知れないほど有難かった。この時に「和を以って、貴ぶとし為し」「広く会議を興し」を信条と決めました。
新しい時代の幕開けと感じ。同時に、官民協働の大きな改革の波は、官においては更生保護、とりわけ保護観察の充実強化の中で、主任官による直接的関与が強力に推進されてきたことであり、新しい多くの施策が施行されていくことであり、このことにより保護司さんにとって仕事の負担増を強烈に感じたことはありませんでした。また、地域社会に広く更生保護の理解を求めていかねばならぬことであり、地方公共団体をはじめ関係機関とのより密接な連携が必要となってきた時代でもありました。一方、保護司さんへの負担増の緩和策はもちろん、活動においても安心して処遇活動ができるように、福利厚生施策も順次整えられて参りました。
このような、大きなうねりの中で、北西保護司会の皆さんの応援をいただき、多摩地区保護司会連絡協議会の会長として、重ねての重責を受けさせていただき、多摩地域の連帯を深め、立川支部管内の一層の充実に、その一端を担うことになりました。私にとりましても貴重な経験を得ることができました。
長年の懸案であった、更生保護サポートセンターの開設が任期中に達成できたことは、何よりも感激でとてもうれしかったです。設置後、数年経過しましたが、北西独自の運営方法も無理のない和気藹藹の活動は、設置に協力してくれた、更生保護施設くにたち安立さんに感謝し、また施設にとってもプラスになるような運営が望まれる、今後においても更生保護関係者すべての活動拠点として気軽に利用できるものでありたい。
今日、皆さんの活躍の成果により犯罪の認知件数が減少して参りましたが、事件の検挙者の再犯率が高くなってきていることが気がかりであります、再犯防止が目下の課題であります。住居の確保や就労支援の効果を上げることや社会貢献活動がより効果的な処遇として完全実施をしなくてはなりません。
会長として任期6年を終え、また、多摩連会長として4年間皆様にお世話になりましたが、私自身保護司としては満齢まで少し残されております、これから全保連・関保連・東保連副会長として更生保護全般の観方やら、やりがいのある組織運営の在り方、新施策にたいしてのチェック役として、皆様の協力をいただきながら北西保護司会の顧問として全うしてまいります。こんにちまでのご指導ご協力に対し衷心より感謝申し上げます、誠にありがとうございました。